残酷天使のララバイ~The last love songs~
 通りを歩いて行く彼らは、特に制服を着ているわけでない。

 被っている帽子も、種類は、ばらばらだ。

「……カラーリングよ。
 エメラルドに決まった軍服は無いけど、色で区別しているんだって。
 着ているものの九割以上を、一色でまとめているヒトは、そこに所属している軍人だって」

 言って、茜は、声を潜めた。

「あそこに居るヒトビトの色は、黒。
 主に情報管理の名目で、チョーホー活動……ってスパイ、かな? をする部隊らしいけど。
 ……もしかしたら、エメラルドに都合の悪いヒトの暗殺も担当しているかもっていう。
 ウワサのある、黒樹王配下の集団だわ」

「……そんなヤツらがペットを連れて、皆でお散歩かい?」

 ……宇宙人の考えていることは、判らない。

 そう、肩をすくめると。

 茜は、ぶんぶん、とクビを振った。




「違う、わよ!」
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