残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……僕は……サルか……?」

 服ごしに、茜の胸が当たっただけで。

 簡単に燃え上がってしまった甘く、苦しい熱は。

 何をしても、ちっとも治まってくれなかった。

 それどころか。

 全てを出して楽になろうと、触れた敏感な場所は。

 何度も、何度も欲望を吐き出したにもかかわらず。





 ……まだ足りないと、いきり立っている。


「も……ヤだっ……いい加減……おさまれ……っ」


 茜が欲しい。



 茜を本当に抱かないと、永遠におさまりがつかないんじゃないか……?



 そう、思えるほど……

 ……苦しい。



 思わず、ふらふらと、携帯をつかみ。

 茜のところに電話しようと、ボタンを押そうとして、はっと気づく。



 ……なにをやっているんだ、僕は!



 こんな状態で、茜が来たら。



 僕は、本当に……何をするか、判らないのに!

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