残酷天使のララバイ~The last love songs~
 携帯を握りしめている右手の指を。

 左手で一本、一本、引き剥がすようにして離すと。

 なけなしの理性を総動員して、携帯電話をゴミ箱に捨てた。



 ……ばほっ。



 ゴミ箱の中のティッシュの山に落ちる、携帯電話のくぐもった音を聞きながら。

 僕は、ベッドの上で丸くなる。



 ……この。



 嵐のような欲望が。






 一刻も早く去ってくれることを祈りながら。
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