残酷天使のララバイ~The last love songs~
 



 夢の中で気がつくと。

 見知らぬ女の人が、僕に向かって微笑みかけていた。

 妖しく。

 ネオンのきらめく繁華街を背にして。

「まぁ……。
 アナタ、コドモのクセに生意気なコト言うのね?」


 夢なのに。


 濃厚な『女』の匂いが、僕を押しつつみ。

 僕は。

 これから、の期待に胸が高鳴る。

「……それで?
 お姉さん。
 僕と付き合ってくれるの?
 ……くれないの?」

 急いている僕に、その、化粧の濃い、女性は、オトナの余裕で、答えた。

「アナタ……どっかの会社社長の息子か、何か?」

「……」

「……ま、いいたくなければ、別にどうでもいいわ。
 あたし、お金大好きだから。
 ……アナタからは、たくさん貰ったことだし。
 あたしが、気持ちイイ夢、見せてあげる」

 女性は、僕の腕をわざと自分の胸に押し当てて、誘った。

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