残酷天使のララバイ~The last love songs~

「……じゃ、どこに行く?
 ラブホ?
 それとも……」

「……部屋に」

 渇いて。

 かすれる声をなんとか押し出して、僕は言った。

「僕の家に、おいで?
 一人暮らしなんだ」

「ふうん?
 イイけど、今ドキ珍しいのね?
 めんどー事を避けるために、自分の家なんか、頼んだって教えてくれないのに。
 ……フツーは」

 だって、これは夢だから。

 面倒事も。

 カタい事もなし、だ。

 僕は、微笑んで聞いた。

「……お姉さんは。
 何か、僕ん家で面倒事を起こす気なの?」

「いーえー。全然」

 ころころ笑う女性に、僕も笑った。

「じゃあ、おいでよ、ね?」

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