残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……はい、どちらさま?」

 僕の大好きな時間。

 せっかくの朝食を邪魔されれば腹も立つ。

 特にインターホンで相手を確認することもなく。

 乱暴に、がちゃっと扉を開けて……驚いた。



「あんた……誰?
 いや……ナニ?」





 朝早く。


 ぼくの家に訪ねてきたのは。


 人間じゃなかった……いや。


 少なくとも、地球人類ではなかった。

 体幹部に。

 視覚と、聴覚と、言語発声器官の詰まった触覚が二つ乗ってる……

 ……平たくいうと。

 一人分の胴体の上に、人間の頭が二つ乗っているようなヤツだ。

 背中に、貝のような、簡易住居を貼り付けているところを見ると。

 ……もしかしたら。

 巨大な、地球のかたつむりが、スーツを着て目の前に立っているように見えるかもしれない。
 
< 66 / 132 >

この作品をシェア

pagetop