残酷天使のララバイ~The last love songs~
 じ……人種って、あんた。

「……知らないね。
 そんなことは。
 成長期だから食えんだろ」

 地球の男は栄養さえ足りていれば、成人寸前まで背が伸びる可能性がある。

 僕も一生、こんなチビだったら困し、腹もへるから食うんじゃないか。

 本人がイイっていうんだから、遠慮なく。

 朝食を食べ始めた僕にアリスは、肩をすくめて口を閉ざし。

 今度は、今まで黙っていた、らぴの……少年の頭の方が、話し始めた。

「じゃあ、今度は、俺の方から、話をさせてもらおうか。
 実は。地球は今」

 らぴは、キザっぽく金色の髪をかき上げて言った。

「とっくに侵略されているんだ。
 ……他の惑星から。
 地球は、表面上。
 他のいかなる知的生命体で構成された国家からも、独立した連邦国っていうことになっているけどね」

 ああ。

 その話か。

「……知ってる」

 僕はスクランブルエッグ飲み込んで言った。

「技術協力~~とかいいつつ。
 実はこっそり、ちゃっかり。
 エメラルド星のヒトビトが、ウチを侵略してんじゃないかって言うハナシだろ?
 ちょっと過激なウェヴ上の掲示板で、いま一番のネタになっているやつだ」
 
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