残酷天使のララバイ~The last love songs~
「さすが、『翼』クン。
 わかっているなら、話が早くていい。
 ……それを見て、君はどう思う?
 悔しくない?」

 アリスもらぴも、真剣な顔をして聞いてきたけれど。

 正直、僕は今まで、あんまり気にしてなかった。

 僕だって。

 両親を奪い。

 僕の記憶を無くす原因を作った、エメラルドのやつらはキライだし。

 こそこそと陰で地球を操ろうとする、やつらのやり方には、腹が立つけれど。

 時々流れてくる情報の中で。

 エメラルドの技術力には、舌を巻いていた。

 二足歩行で安定性が悪く、巨大化することで敵の的になりやすいはずなのに。

 目を見張るほどの機動性と、柔軟さでカバーされたヒト型兵器。

 豊富なオプションで、どんなタイプの兵器にも対応出来る「盲目の巨人」タイプのバトル・パートナーから始まって。

 ワープ機能を搭載した小型宇宙船に、翼が無くても空に浮かべる、さまざまな大きさの半重力装置。

 こんなモノ、今の地球には、ない。

 呆れるほどの技術力があるにもかかわらず。

 表だって地球側に無茶な要求を突きつけたり。

 地球政府に内政干渉しないだけ、ましかも、とも思っているんだ。

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