残酷天使のララバイ~The last love songs~
「エメラルドは、すごくキライだけど。
 一応、生活費の出どころだし……」

 しかも、かなり贅沢に暮らしていけるほどの。

 もちろん、どんなにお金を積まれたって。

 両親の命には変えられるワケも無いけれど。

 これが、地球人同士の接触事故だったら。

 ……こんなに保障は厚くなかっただろうコトは、僕にだってわかる。

 僕の言葉に。

 アリス・らぴは、ちっちっ、と指を振った。





「半年前の事故は、本当に、気の毒だったよね。
 だけど。
 冷静に考えたら、そこも怪しく思わない?
 確かに、悪いのはエメラルド側だし。
 死傷者も沢山出たコトを考えたら、賠償金は当然だけど……
 俺から見ても額が破格過ぎる」

 アリス・らぴは、腕を組んだ。


「エメラルドは、あとで。
 出した分の金を、回収出来る何かを企んでいるんじゃないか?」



「さあ……それは、どうかな?」
 
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