残酷天使のララバイ~The last love songs~
ヒーローねぇ。
アニメの主人公を想像するなら
巨大ロボットなんて。
男だったら一度ぐらい操縦してみたい乗り物なのかもしれない。
だけど、僕は。
どこの星で作られた巨大ロボットでも。
そのパイロットが見た目よりそんなにカッコよくないことを知ってる。
地球人類が考え出した兵器……
戦闘機や、戦車みたいに、やり方さえ覚えれば。
誰でもすぐに乗れるってわけじゃないはずだ。
「公に、地球を守ってる。
エメラルド製の巨人を操るパイロット---ナイツが。
実は、軍人ではなく、犯罪者達で構成されていることを僕は、知ってる。
……その手には、のらないよ?」
「へえ、何でだったかな?」
わざとらしくとぼけるらぴに、僕は言った。
「カラダのどっかに、サポートチップを埋め込まないといけないから、だろ?
……しかも、長期間そのままほっとくと。
命までヤバくなる危険なやつだ。
ナイツの致死率が高いのは、地球外生物に撃墜されるから、ばかりじゃない。
それも、コミだからだ。
まだ、一般には知られていないけど。
バレた時の世間の風当たりを考えて。
死刑だの無期だのっていう重い犯罪者が、ナイツになる」
「……」
「……地上をただ走るだけの乗用車だって。
両手と片足を使わなくては動かしづらいのに。
もっと複雑な動きをする人型兵器は……
……例え、巨人自体にサポートシステムが組み込まれていても。
それだけじゃ、地球人は反射神経が追い付かない。
これは、地球人類が作ったものじゃないものを僕らが乗る限り、仕方がないことだよね?」