残酷天使のララバイ~The last love songs~
「一度、茜ちゃんのデータをクリアしてから、キサラギ君のデータを乗せるから……
本格的な、メディカルチェックは、二週間後からだよ?」
アリス・らぴに言われて、僕は、軽く眉を上げた。
「……メディカルチェックなんか、するのか?
幻想人形のパイロットは、特に試験とかしないって言ってなかった?」
僕の言葉に、らぴは、小声で言った。
「……こちらもね。
別に君達を殺すつもりで、巨大ロボットに乗せるつもりは無いからね?
なるべく、身体に負担をかけないパーツを探すべく……」
「……ふうん。
あのさ。
本当に、幻想人形は、カラダに埋め込むタイプのヤツを使わないと動かない?」
「……何が言いたいの?」
訝しげならぴに、僕は、軽く笑った。
「あんたから詳しい幻想人形の資料を全部見せてもらったけど。
ちょっとこいつでいじれば、なんとかなりそうな気分でさ」
ちらっと見せたノート型PCを見て、らぴは、あからさまにイヤそうな顔をした。
「……キサラギ君は。
幻想人形をハックしようって言うのかい?」