残酷天使のララバイ~The last love songs~


「一度、茜ちゃんのデータをクリアしてから、キサラギ君のデータを乗せるから……
 本格的な、メディカルチェックは、二週間後からだよ?」

 アリス・らぴに言われて、僕は、軽く眉を上げた。

「……メディカルチェックなんか、するのか?
 幻想人形のパイロットは、特に試験とかしないって言ってなかった?」

 僕の言葉に、らぴは、小声で言った。

「……こちらもね。
 別に君達を殺すつもりで、巨大ロボットに乗せるつもりは無いからね?
 なるべく、身体に負担をかけないパーツを探すべく……」

「……ふうん。
 あのさ。
 本当に、幻想人形は、カラダに埋め込むタイプのヤツを使わないと動かない?」

「……何が言いたいの?」

 訝しげならぴに、僕は、軽く笑った。

「あんたから詳しい幻想人形の資料を全部見せてもらったけど。
 ちょっとこいつでいじれば、なんとかなりそうな気分でさ」

 ちらっと見せたノート型PCを見て、らぴは、あからさまにイヤそうな顔をした。

「……キサラギ君は。
 幻想人形をハックしようって言うのかい?」

< 86 / 132 >

この作品をシェア

pagetop