残酷天使のララバイ~The last love songs~
 


  ……そう、思ったのに。

 絆創膏やら、包帯やらで。

 僕を大げさに、ぐるぐる巻きにした挙げ句。

 心配だから、と僕から離れなかった茜と一緒に、帰ってきたとたん。

 僕の住処のマンションでは、とんでもないことが起きていた。

 パトカーが数台乗り付けられ。

 入口には、良く刑事モノのドラマで見るような、立ち入り禁止のテープが張り巡らされてたんだ。

 しかも。

 警察官らしい制服を着たヒトビトの目的は、僕の部屋らしく。

 招待したわけでもないのに、勝手に出入りしていた挙句。

 その周りを近所の野次馬と、報道陣が大勢取り囲んでいた。

「……一体、何事かしら。
 まさか……」

 地球解放軍の活動が、ばれたのかしら?

 そう、野次馬にまぎれて、不安そうにしている茜に僕はクビを振った。

「解放軍の事は、ちゃんと尾行がつかない事を確認して、動いていたし。
 茜はともかく、僕は仲間になってそんなに経ってないから。
 こんな大騒ぎにする意味がないよな」
 
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