残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……僕が、何したって言うんだよ……っ!」

 じたばたと、男の手を振り離そうとしながら言った僕の声に、男の怒鳴り声が重なった。

「ふざけんな!
 確信犯のくせに!
 お前がやったのは……」

 ……ハッキング。

 と予想していた言葉が違う。

「殺人じゃないか!」

「「……は?」」

 そんなもの。

 身に覚えがあるわけがない。

 思わず茜と顔を見合わせた僕に、追い打ちをかけるように警察官は言った。

「お前の専有している部屋の浴室の天井から、女性の遺体が、何体も見つかった!
 やったのは、お前だろう!?」

「えええっ!? そんなコト!」

 僕は今まで。殺人どころか、動物でさえ、傷つけることをためらっていたのに。

 自分にそんな大それたことが、出来るとは思えなかった、

 けれども。

 ぐいぐいと警察官に引っ張られ。

 写真の中の、その惨状を見せられて、僕はうなった。

 誰かにハメられた!

 なんて思うよりも。

 この光景を、僕は見たことがある、と思ってしまったから。
  


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