神の裁き-地獄への道-
その中に変わったやつもいた。
「私を殺してください。こんな闘い嫌だ。
殺すなんて出来ない。私を殺して欲しい。」
そいつは私にそう言った。
何かそいつを見ていると如何してか殺せなかった。
「207号、そうか……。」
そいつと行動を共にしている悪魔だろう。
その悪魔は何かを悟ったようにしていた。
その顔はどこか微笑ましかったように思う。
それからそいつは私の後付いてくるようになった。
敵だった。その後、私たちの前に敵が現れた。
そして私はあっけなく殺されたように感じた。
いや、確かに心臓が抜かれ、その場に倒れ即死した。
だが、目を開くとさっきまで『アイツ』と敵が倒れていた。
私はいつの間にかこの2人を殺してしまったのかと思った。
そして、私はいつしか人を殺していくうちにそれを喜びとして考えるようになった。
目を閉じれば頭の中に拡がるイメージは前よりもっともっと綺麗に紅く輝く血があた。
気付けば、時はずっと止まったままだった。
口を開けたまま止まっている者、
あくびをしたまま止まっている者、
死ぬ瞬間で止まっている者、たくさんの人を見て殺した。
永遠とも思える時間だった。
だが、少しとして喜びを感じれなかった。
時が止まれば血は流れない。
時は動く事は無かった。
頭の中の血のイメージは膨らむばかりだった。
いつしか止まっている者は動き出した。
時は遂に動き出した。
そして、私のイメージは現実となり、煉獄に来た者は血となり、消えてしまった。
そして悪魔が現れた。
『終わった、終わった。終わったねぇ。本当に醜いものだったよ。
みんなして殺しあってたよ。でも輝く人を見つけたよ。」
私は自分だと思い期待した。
何故なら優勝したのはこの私だったからだ。
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