時は江戸…
二度目の触れあいが嬉しい。



もしかしたらこれが最後になるかもしれない。



そんなことを思ってマヤは裸のトシにぎゅっと抱きつく。


筋肉質な身体は強くて頼もしい。

だけど…

マヤの不安を感じ取ったように大丈夫だ、と耳元で囁く。




マヤがトシの胸に顔をうずめる。



このときトシが俺は絶ってぇ生きて帰ってくる、と心に誓ったことが肌を通してマヤに伝わったかどうかはトシにはわからなかった。




ただマヤもトシも触れ合うたびにお互いへの愛おしさをつのらせるばかり。



満月で月には薄くだが雲がかかっていた。
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