時は江戸…
「…よかった。」
「な、な、何が?」
「お前さ、慣れねーのな。
俺たちあんなことやこんなことまでした仲なのに」
‘なんだこの余裕は!?
さっきまで子犬みたいな顔で不安げにしてたくせにー!
急にドーベルマンですか!?’
自分ばかり抱きしめられてドキドキしているのが少し悔しいと思っていた。
そして顔を見ずに耳元で話す土方の吐息に
いつもは感じない感覚だった。
「っ、ぜんっぜん!?
よよゆーだあ!
それより何が良かったの?」
「ふははっ。
いや、断られたらどうしようかと少し考えてた。」
「あたしが断るようにみえんかい?」
「いや、でもまあ。
俺だって好きな女には自信なんて持てねぇんだよ…」
「…」
‘そのセリフは反則だああああ’
「…マヤ。」
「っん」
あまりにも優しく名前を呼ばれてハッとした瞬間
比べものにならないくらいマヤの唇に温かくて優しい感触がした。