時は江戸…
「…っ」



始めは優しい触れるだけのくちづけ。



何度も



何度も角度を変えては重ねる。



‘トシとキスしてから知った。


キスってどっちかが顔傾けないと鼻ぶつかっちゃうんだよね’


そんなことを朦朧とした頭の片隅で


考えていた。


「…んンっ」


土方の手が頭の後ろに回り固定される。



先ほどよりも深くて熱くて長いキス。



マヤはまだ息のするタイミングがつかめないでいた。



土方が離れるほんのわずかな瞬間に


空気を求めようとして開いたマヤの口からは小さな声が漏れる。


気がつけば無意識に土方の着物を掴んでいた。



それが土方の大人としての余裕、自制心、理性をまた奪っていく。



「っん…っぁは……」


「っ………」





































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