蜜花 -First.ver1-

「HR始めるぞー!」

教室に先生が入ってきた。
あたしは一番後ろの自分の席に着いた。
隣に座っている閑玖はまだ寝ている。

「閑玖!先生来たよ!」

「…あぁん?うるせえなぁ…。」

ふわぁ、と大きなあくびをして閑玖が起き上がる。

「うるせえなぁって何よ!…せっかく人が起こしてあげたって言うのに。」

ふん、とすねるあたしに閑玖は

「そんなの頼んでねえし。」

と、一言。

…何それっ!!
人の親切をコイツは…!!

―バコンッ!!

あたしは机の上にあった教科書で思いっきり叩いた。

「痛ってえな!!」

閑玖がこっちを睨む。

「あんたの口の方が悪い!」

「手を出すなんて卑怯だぞ!」

「それ位があんたには丁度良いの!」

「んだとこのチビ!!」

「うるさいバカ!!」

「高原も丹野も黙れ!!!」

…!

先生の目が光ってる…。

あたしと閑玖の言い合いは、担任の怒鳴り声によって止まった。

『すみませんでした。』

明らかに反省していない声が見事にハモり、教室中に笑いが起こった。

「ハモるなよ…。」

はあ、とため息をつく閑玖。

…それはこっちのセリフだっ!!

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