蜜花 -First.ver1-

うーん…


只今、究極の選択を迫られている。

「あーや!ねえまだーっ?」

「ちょっと!急がせないでよっ!今すっごく迷ってるんだから!」

「もう10分経つけど!!」

あー…!


いつもと同じ、お昼時。
私はパン売り場の前で立ち往生。
焼きそばパンにするか、メロンパンにするか…!
どっちも残り一個!

「彩帆!いい加減に決めろっ!!」

あぁもう、うるさい!

「よし、じゃあおばさん!メロ…。」

「メロンパンちょーだい!」

…え!?

やっとの思いで決めたメロンパンは、後から来た男の子の元へ去っていく…。

そして、一言。

「残念でした♪」

べえっと舌を出してこっちを見るそいつは、明らかに確信犯。

そしてそいつは、笑いながら去っていく。
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