蜜花 -First.ver1-

時も過ぎ、放課後。

今日一日は、詩織とパーティーの案を出し合っていた。
このままで行くと順調に終わりそう♪

「はい、今日の練習はここまででーす!」

ピーっとホイッスルが鳴り、成美先輩が叫んだ。

成美花蓮先輩は、あたしと同じバスケ部のマネージャー。
のほほんとしていて、少しおっちょこちょいだけど、いざとなれば凄く頼りになる先輩。

「じゃ、彩帆ちゃん、鍵お願いね。」

「はい!」

あたしは先輩から部室の鍵を受け取った。

マネージャーの仕事の一つに鍵当番があり、今週はあたしが担当する。

「ふい~…あっちい。」

タオルで汗を拭きながら、閑玖がこちらへ歩いてきた。

「閑玖、お疲れ様。」

「おう。…今日は千代いないの?」

あたしの周りをキョロキョロしている。

「うん、なんか用事があるんだって。」

「ふーん…。じゃー俺、透と帰ろうっと。」

え!?
あたしだって透と帰る約束してたのに!

「…なんだよその目は?」

あたしの視線に気付き、閑玖が睨み返す。

「…あたしも帰るんですけど。」

「…俺、お前と帰りたくない。」

言うと思った。
その言葉、そのまま返してやりたいわよ!!

「ま、しょうがないか…透とそのオマケと帰るか。」

「オマケって何よ!!」

「そのまんまの意味ですが?」

何なのよ!!

「閑玖さっさと着替えて帰れ!」

「やーなこった♪」

…むかつくっ!!!
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