蜜花 -First.ver1-

「でさー、あのゲームのボスが…」

「あぁ~。そこはBボタンだろ!」

…何の会話だ。

透と閑玖はさっきからゲームの話で盛り上がっている。

全然ついていけない!!

「ねえ~?何の話?」

「ゲーム♪」

透は楽しそうに笑った。
…じゃなくて!
あたしの存在、忘れてません…?

「ねぇ!透~…。」

「ん?あ!ごめんごめん!」

やっと気付いたのか、透があわててこちらを向く。

「もー!」

睨むあたしを見て、透は笑った。

「ごめんって♪」

そして、抱きしめた。

「…ちょ!」

閑玖が居るのに!
人前なのに!

「…。」

閑玖の声はしない。

あたしには閑玖の顔は見えなかった。
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