蜜花 -First.ver1-

「おい透、いつまでそうしてるつもりだ?」

急に響いた、閑玖の鋭い声。

「ははっ♪いいじゃん~。彼女なんだし。」

そう言って、透はあたしから離れた。

気のせいか、閑玖の瞳はどこか暗い。

「…く。」

閑玖がそっとつぶやいた。

「何だって?」

透がそう閑玖に聞いた瞬間―…

―ボスッ!

「うっ!?」

透がお腹を抑えて倒れこむ。

そして、殴った姿勢のままの閑玖が、見下ろしていた。
< 26 / 78 >

この作品をシェア

pagetop