蜜花 -First.ver1-

二人で騒ぎ始めると、あたしはまた一人でポツンとしていた。

「あ!彩帆!ごめんー。」

そんなあたしに、またまた気付き、透が駆け寄ってきた。

「ちょっと待ってて、俺飲み物買ってくる♪」

そう言ってあたしの頭をくしゃっとして、透は自販機に駆けていった。

残されたのは、あたしと閑玖。

「…ねえ。」

「ん?」

閑玖があたしの声に反応し、こっちを向く。

「なんでさっき、透を殴ったの?」

「…。」

閑玖はまた、暗い目をした。

「なんで!?」

いつもとは違う閑玖。
一体どうしちゃったの?

「…お前には関係無いだろ。」

「関係ない!?…あたしは透の彼女よ!」

「だったらなんだよ!?」

閑玖は怒鳴り、あたしの腕を取った。

「痛い!ねぇ閑玖放して!」

あたしはもがくが、閑玖の力に全く勝てない。

「…むかつくんだよ。」

閑玖はそう言ってあたしの腕を放した。

そしてあたしを睨んだ後、一人帰っていった。
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