蜜花 -First.ver1-
…ん?
夢か現実か、何か人の気配がする。
「…んー?」
どうやら現実らしい。
あたしはうっすらとまぶたを開けた。
目の前に…
男の人の顔!?
「っきゃーーー!!!」
「うわわっ!?」
誰誰誰っ!?
急いで離れるあたしと、まだ驚いている様子の男の人。
さっきまでの距離は、キスが出来そうな距離で。
不覚にも思い出してしまったあたしの顔は、紅く染まる。
―…
沈黙。
気まずい…。
「あ、あのー…どちら様ですか?」
なんとなく見覚えはあるけど、でもやっぱり知らない人。
あたしは沈黙に耐え切れず、思い切って訊いてみた。
「俺?…知らないの?」
知るかっ!
「じゃあー…ハジメマシテ。斎条雄貴です。」
斎条…雄貴?
ってあぁぁぁぁ!
「学年トップの!!」
「イエース♪」
そう言って、鼻でフフンと笑う君。
それが、君との出逢いでした。