蜜花 -First.ver1-
「び…っくりしたっ!」
まさかあの学年一位が、目の前に居るなんて…。
…目の前?
「!?」
さっきの顔の近さからして…。
奪われたっ!?
「あ…あのっ!」
「ん?」
キョトンとする斎条くん。
「キ、キス…しました?」
ドキドキドキ。
あたしは恥ずかしさのあまり、まともに顔が見れなかった。
―コツン。
頭に軽い衝撃。
「え?」
衝撃に驚き前を見ると、苦笑している斎条くんの顔があった。
「おしかったなあ~…何もしてないよ。」
よ、良かった~…。
「彼氏居るの?」
突拍子もない斎条くんの質問にあたしは
「います…けど何か?」
疑問だらけ。
一体この人、何がしたいの?
「…似てる…。」
え?
斎条くんがボソッと呟いた言葉。
似てる…って言った?
あたしが…?
「あの、今"似てる"って言いました?」
「ん?…言ってないよ?」
笑顔で返す斎条くん。
…気のせいかな?
あたしは笑って流すことにした。