蜜花 -First.ver1-
「そういえば、何でここに居るんです?…学年トップなのに。」
普通、学年トップは真面目に授業を受けているものでしょう?
「あ?…んなの普通じゃん?授業なんて聞かなくてもわかるのに。」
…うっわ!嫌味!?
「…随分余裕なんですね?」
「まあね♪」
そしてあたしに送るピースサイン。
「というか、何で敬語?」
…あ。
思わず…。
「タメだよね?タメ語でいいじゃん。」
…そうですよね。
…そうだよね。
でも学年トップとなると、少し緊張するし。
「…わかりま…、わかった。タメ語ね?」
コホン、と咳払いをして続けるあたし。
何か違和感がある。
「そうそう♪イイコ♪」
よしよし、と頭を上下に振る。
「じゃあついでに注文。俺のことは"雄貴"でいいから。」
ね?と笑う君。
「ゆ…ゆうき…?」
恐る恐る言うけど、何かまだ慣れない。
学年トップなんて遠い存在だし、あたしは常に"斎条くん"と呼んでいた。
「そうそう!それで頼みます♪」
そしてフフンと鼻で笑った。