蜜花 -First.ver1-
…って何やってんだ俺!?
そりゃ俺は顔がいいし、正直もてる。
女から求められれば、それに答える。
だけど…俺から求めたのは、久々のことだった。
内心ドキドキしている。
そんな時だった。
「…んー?」
起きた…!?
「っきゃーーー!!!」
「うわわっ!?」
いきなり叫び声をあげ、かなり距離が離れた。
そんなに驚かなくても…。
そんな彼女の態度に、俺の方が驚いているのかもしれない。
たいていの女は
「雄貴くんだ~♪」
とか言って近付いてくるのに。
―…
沈黙。
気まずい…。
こういう場合、どうすれば良いんだ?
「あ、あのー…どちら様ですか?」
そんな沈黙を破ったのは、彼女の方だった。
「俺?…知らないの?」
真面目に!?
この学年トップの俺を知らないの!?
…この女、ありえねえ。
「じゃあー…ハジメマシテ。斎条雄貴です。」
俺は皮肉たっぷりにそう言った。
「学年トップの!!」
…どうやら名前は知っていたらしい。
ま、良しとするか。
「イエース♪」
俺はそう言って、鼻でフフンと笑った。