蜜花 -First.ver1-
「ただいま~…。」
昼休みもかなり過ぎた後、私はやっと教室に戻ってきた。
「遅すぎ!!」
ドアを開けた瞬間、みんなの怒鳴り声。
あーあ…。
「あれ?詩織は?」
私を真っ先に置いていった、詩織の姿は教室になかった。
「詩織?さあー…?お昼食べたら、帰っちゃったよ。」
唐揚げを頬ばりながら、千代が言った。
…帰ったぁ!?
私の納得のいかない顔を見て、静かに閑玖が言った。
「…今日は大事な日なんだって。」
…大事な日…。
私はそう言われて、カレンダーを見た。
…なるほど。
すぐにピンときた私は、静かに席に戻る。
…だからあんなに、急いでたのね。
ふう、と息を吐き、私は焼きそばパンを口に運んだ。