蜜花 -First.ver1-

「…閑玖、変だよ。」

あたしはポツリと言った。

「あぁ?」

千代にくっついたまま、閑玖がこっちを向く。

「変だよ昨日から!…普段はそんなことしないじゃない?」

あたしはあくまでも、慎重に言った。
けれども閑玖はそれに気付かないのか、急に怒り出した。

「…俺に文句あんの?」

「ある。…だって昨日透を殴ったじゃん!今だってこんなこと…普段やらないくせに。」

「うるせえなー…。…本当にお前見てるとムカつくんだよね。」

「閑玖!千代!やめろって!」

透が割り込むけど、あたしは止まらない。

「何よムカつくって!!そんなのいつもの事でしょう!?…なんで今更そんなこと言うのよ!」

「何?傷付いてるの?」

そう言って閑玖は、嘲笑った。

…こんなの、こんなの閑玖じゃない。

「何なの…何なの!?閑玖おかしい!!」

「おかしくねえよ!!!」

閑玖が怒鳴った。
周りの皆はビクっとした。

詩織は心配そうにあたしの肩に手を置いた。

「閑玖、彩帆…もうやめよ?あんた達らしくないよ?」

それでも睨み合いは続いた。
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