蜜花 -First.ver1-
「…閑玖、何か言いたいことあるなら言ってよ。」
「別に。お前となんか話す気も無いし。」
冷たい瞳であたしを見た。
―…これってどこかで…?
でもあたしはそれを思い出せず、ただただこの瞳が怖かった。
「…さっきから何なの!?遠まわしに。…嫌いなら嫌いって、ハッキリ言えばいいじゃない!?」
「嫌いだね。」
―…え?
「お前なんか大嫌い。」
―…なん、て…?
「早く消えろよ、ブス。」
―消え…ろ…?
―バッチーン!!!!!
「痛ぇっ!?」
瞬間、詩織の掌が宙を舞ったのが見えた。
「あんた何言ってんの!?友達に向かって、そんな嘘言わないでよ!!」
―…嘘?
違うよ。そんなんじゃない。
だってそいつの瞳を見ればわかるでしょ?
「彩帆!!!」
―バンッ!
あたしは勢いよく、教室を飛び出した。