蜜花 -First.ver1-
「結局焼きそばパンにしたの?」

一緒に買いには行ってないけれど、後から事情を聞いたのだろう、透が尋ねた。

「うん、だってメロンパン…閑玖が買っちゃったし。」

ふん、と閑玖を睨んで言う。

そんな私に、閑玖はニヤリと笑い、次の瞬間―…

「メロンパン!!!」

取っておいたのか、鞄の中からメロンパンを取り出した。

「今食べないなら、なんでさっき買ったのよ!」

私の心は着火した。

「さっきの時間は、お昼ご飯優先よ!」

「後から行くの面倒だろうが!」

「閑玖は部活やってるんだから、その時買えばいいじゃない!」

私の学校のパン屋さんは、朝ご飯用、お昼ご飯用、部活.居残り用と三度に渡って
作ってくれる。

だから、閑玖が部活で食べようと言うのならば、その時間帯に買いに行くべきなのに…!

「なんでよりによって、さっきなのよ…。」

それに対し、返ってきた言葉は。

「嫌がらせ。」


それを合図に、透が私を、千代が閑玖を押さえ込む。


「ふざけるなーっ!!!」


私の怒鳴り声が、教室の中を響き渡った。
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