蜜花 -First.ver1-

―…キライ…



―…消えろ…



「いやぁぁぁぁぁ!!」

あたしは着いた屋上で、悲鳴をあげた。

「どう…して…?」

そりゃ、犬猿の仲だったけど。
あたしはそれで楽しかった。
友達として、喧嘩仲間として、閑玖のことは好きだった。
意地悪ばっかだし、憎たらしい面でいっぱいだけど、たまに見せる優しさが嬉しかった。
これが男女の友情かな…って、とても頼もしかった。

透と付き合ったとき、おめでとうって…すごく喜んでくれた。
透と喧嘩したとき…早く仲直りしろって説得してくれた。

だけど嫌いだった?

あたしを嫌い?

じゃあ今までのことは何だったの?

ねえ。

…閑玖?

「う~…。」

涙が止まらない。
感情を抑えられない。

こんな時は彼氏が一番頼もしいんだよ、って千代がいつも言ってた。

だけど今は。

…一人になりたいよ…
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