蜜花 -First.ver1-
「気分は落ち着いた?」
「うん、ありがと。」
アイスも食べ終わり、あたしは暖かい日差しの下、うとうと気味。
このまま雄貴と―…って何考えてるの!?あたし!!
「もう一本食べようかな…。」
そう呟く雄貴が眩しい。
「何味にするの?」
「チョコミント!!」
あたしが訊くと、すぐに返事が返ってきた。
「…さっきもそれじゃなかった?」
というよりか、チョコミントしか食べてないぞ。この人。
「だって美味いじゃん♪」
そう言ってにこっと笑う。
―可愛い…。
あたしの胸は、またドキドキと鳴り出す。
学年トップって肩書きから、クールで冷たそうなイメージがあったけど、そうでもないみたい。
むしろ人懐っこくて、可愛い。
もちろん見た目はクールな王子様、だけどね。
「よし!彩帆も次行くぞ!何味がいい!?」
雄貴が急に立ち上がり、あたしに笑いかける。
「おごりでイチゴ!」
「お前もそればっか頼んでるじゃん!」
そうまた笑って、雄貴は去って行った。
そんな後姿を眺めて、あたしはうーんと伸びをした。
「幸せ…かも。」