蜜花 -First.ver1-
「まったく…!!何であいつは曲がった性格してるんだろ。」
ブツブツと文句を言いつつ、私の手は止まらない。
ただいまユニフォームを洗濯中、な私はバスケ部のマネージャー。
今年で引退の一個上の先輩と2人で活動中。
「そこがまたかっこいいじゃんっ♪」
はいはい…。
「あっ!また閑玖、シュート決めたよっ♪かっこいい~っ!」
はいはい…。
さっきから無駄にノロけてるのは、彼女の千代。
毎度毎度、よく飽きずに見に来るよね…。
千代の彼氏である閑玖は、私がマネージャーを勤めるバスケ部。
目の敵にしている閑玖が同じ部活だと、正直疲れる。
…というか、あいつの使ったユニフォームを洗う、というパシリっぽい行為にまず抵抗がある。
「そんなにかっこいいなら、マネージャーになればいいじゃない…。」
私の代わりにパシられてほしい。
「やだよっ♪静かに観戦したいし。それに仕事しながらじゃ、かっこいい姿見逃しちゃうしね♪」
はいはい…。
それを言うなら、私だって静かに観戦したい。
…バスケではなく、サッカーをだけど。