蜜花 -First.ver1-
首飾
―次の日。
結局あたしは雄貴の袋を開けずに、雄貴の元へと急いだ。
―ギイ…
「雄貴ー?」
「んー?」
予想は当たり、雄貴はやはり屋上にいた。
「コレ!昨日の!」
「…へ!?」
あたしが渡した袋を見て、呆然とする雄貴。
「…どうしたの?」
「お前、コレ開けた?」
その質問にあたしはブンブンと首を横に振る。
「あちゃー…」
そう言って雄貴は頭を抱えた。
「何で!?」
返してもらって、嬉しくないの!?
「馬鹿、コレ開けてみろよ。そのために彩帆に預けておいたのにさ。」
むうっと膨れて、雄貴は袋をポンとあたしに手渡した。
「開けても…良かったの?」
雄貴は何も言わない。
ただ、笑っていた。