蜜花 -First.ver1-
「おはよー…」

雄貴がいた屋上から離れ、あたしはHRが始まる前に教室に戻った。

「おはよう!どこ行ってたの!?」

「昨日…大丈夫だった?」

「千代、寂しかったよお~!!」

心配して駆け寄ってくる仲間たち。

「詩織、透、千代…ありがとう。」

あたしは皆に向かって笑った。

あたしは大丈夫。

そう思いながら下を向くと、テディベアからのブレスレットが誇らしげに光っていた。

「ホラ閑玖!いつまで拗ねてるの!」

「痛ええ!!」

詩織が閑玖の耳を引っ張りながら連れてくる。

透に背中をドンと押され、閑玖はこっちに押し出される。

「あのなあ、もうちょっと人を大事に…」

『扱いません!!』

閑玖の文句に、詩織と透の声がハモった。

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