蜜花 -First.ver1-

秘密


「よし、どこも異常ナシ♪」

「ありがとうございました♪」

放課後、さっそく保健室に来て診てもらった。

「ふふ、壱夜かっこいい♪」

…声に出てますよ詩織さん。

「にしてもさ、そのブレス可愛いよね!」

―ドキリ。

「う…うん?」

あたしは苦笑い。

「ふーん、彼氏から?」

壱夜くんがサラリと言う。

「は、はーん。透の奴、やるじゃん♪あとで冷やかしてやろ♪」

え…っとそれはマズい!
透は全く身に覚えが無いんだから。

「ち…違うの!これは…自分で買ったんだよ?」

詩織があたしを見る。
う…そんなに見ないで。

「ふーん…。」

ふーんて…納得したかな?

「あたしに隠すんだ。」

…!

あたしはハっとして詩織を見た。
怒っているような、悲しそうな顔。

「別に、彼氏から何貰ったっていいじゃん♪照れてるの?」

気まずい雰囲気に、壱夜くんがフォローするが…

「ち、がうの…」

あたしは胸の中が罪悪感でいっぱいで、どうすることも出来ずにいた。
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