蜜花 -First.ver1-
「なあ彩帆?」

んー?

と振り返った瞬間。

「!?!?!?!?!?」

なぜか抱きしめられてるあたし。

「切ない顔、してたから…。」

そう言う雄貴の方が切なかったりするけど…って突っ込める状況でもない。

うあ、ヤバい。
ドキドキドキ…。

雄貴の香りに包まれて、頭はすでにボーっとする。
心臓は…馬鹿みたいに働いている。

「ちょ…っと、放して…。」

「やだ。」

やだっておい!

「彩帆はさ、誰を見てるの?」

え…?

一瞬、時が止まる。

「本当に、彼氏…?」

なん、で…

「そんなこと言うの?」

あたしの声は震えている。
ヤバい、我慢しなきゃ。

でも、我慢すればするほど溢れてくる涙。

「斎条くん、って呼べよ。」

急にそう言ってくる雄貴。
何で?だって呼ぶなって言ったじゃん。

「早く。」

声からして怒ってる。
もう、本当に意味がわからない。

「………斎条…くん…。」

そう言って見上げると、何故か雄貴は笑っていた。

「はい、罰ゲーム♪」





あたし達は、2度目のキスをした。
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