Love ~一つのカタチ~


私はいつものように下校して、いつものように寄り道をする。

筒型の大きなコンクリートの塊が三つ積まれている。
近くには小さな川があって、チョロチョロと流れていた。

コンクリートの上に腰を降ろして、鞄からヘッドフォンを取り出して耳にあてる。

そこからはお気に入りの曲が流れてくる。

体勢を変え、仰向けになり目を閉じる。

そうするとまるでこの世には私だけが存在しているんじゃないかと、錯覚に陥る。

何をするわけでもなく、ただこうして時間を過ごす。
意味なんてないけど、この場所は私にとってのお城。
綺麗なシャンデリアも、大きな暖炉も何もないけど、若干18歳の私にとっての最高の場所。

そして、始まりの場所。

< 17 / 68 >

この作品をシェア

pagetop