Love ~一つのカタチ~
あの場所からの帰り道、後ろから聞こえる声に振り返る。
「妙ちゃん!」
笑顔で駆けてくる人物はまさに、あの少年。
「幸伸…。」
「一緒に帰ろうよ。」
そう言うと私の右側を歩いて、私の右手を握る。
いつもこう。
無邪気な顔して簡単に私の心にズカズカ入ってくるんだ。
どういうつもりなの?
幼馴染みの私が冴えない女で哀れんでんの?
今の私には辛いだけだよ。
だけど、気持ちを打ち明けることも、突き放すこともできずに、ウジウジしてる自分が一番嫌だ。