Love ~一つのカタチ~

大きく深呼吸して言葉を吐いた。

「俺にはずっと大切な人がいるんだ。その人の特別になりたくて、俺を見て欲しくて頑張った。そしたらさ、“プリンス”なんてあだ名がついちゃった。本当はこんなの望んでないのに。ただその人の王子様になりたかっただけなのにさ。だけど、勇気が出なくて告白すら出来ないんだ。情けないよね。それでも一緒にいたくて、その人に触れたくてその人の手を握るんだ。そしたらすごく温くて、幸せだなっていつも思う。でも、遠回しに何か聞き出そうとして嘘ついちゃったんだ。そしたら失敗して嫌われちゃったみたい。………………その人と小さいときに約束したんだ。王子様になって幸せにするよって。叶えられるかわかんないけど、全然頼りなくて、情けないけど、今でもその人の王子様になりたいって思うんだ。だって、俺にはたった一人のお姫様なんだから。」

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