Love ~一つのカタチ~
「変な顔…」
そう言われてその声の根源に顔を向けると、いつもと変わらないフニャリとした笑顔があった。
「失礼な。普通レディーに対してんなこと言うかな。」
「えっ?女だったの!?」
「あー、はいはい。そういうの、もう聞き飽きたし。」
宏貴はいつも私をからかって、私もそれに乗って二人でバカやってるけど、今日はなぜかそんな気持ちになれなかった。
「ねぇ、何かあった?」
“寒いっ!”なんて言ってコートのポケットに突っ込んである私の手を握った。
「んー、何もないよー。」
「ならいいんだけど。……三年目だね。こうして二人きりでいるときに初雪が降るのは。」
「そうだね。運がいいのか悪いのかって感じ。」
「なにそれ。運がいいに決まってんじゃん。ある意味運命だと思ってるよ。」
「さむっ!そんな運命いらないわ。」
「…なんか、今日はちょー感じ悪いんだけど…。」
そうだよ。
今日の私は嫌な奴。
だって、もう三度目の初雪。
これじゃあ、これから先初雪を見る度にキミを思い出しちゃうじゃん。
そう思ったらなんだか泣きたくなる。