中学生生活
~前回の回想~


5年生の教室前の廊下。

ヴァレンタインデー。

恵:「ねぇ……安達?ちょっとこっちきて」

“安達”というのは、灯哉の名字だ。

この頃はまだ、名字で呼んでいたのだ。

灯:「うん?なに?」

なるべく人がいない方に行っておく。

恵:「あ、あのね、私…あんたのこと好きなんだ」

まだ純な私にはこれが精一杯だった。

でも――

灯:「えっ!?本当に?嬉しいなぁ///」

この言葉に舞い上がってしまった私は、

恵:「あの…っ、できれば、そのぅ……付き合って欲しいんだけど」

なんて言ってしまった。

自分でも、言うつもりではなかったことを
言ってしまった私は、とっさに、

恵:「あ、えと、返事は塾の帰りに訊くから…
突然ごめんね…っ」

と言って逃げてしまった。







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