うさぴょん号発進せよ
「そういやオヤジ、まだ見つからねぇのかよ。あれから1ヶ月以上は経つぜ」

コウヅキのその問いに反応するかのように、船長が再び前を向いた。

「タスク達の乗った船の探索は、一応セリシアに任せてはいるんでちが…。
今現在も、それは進行中でちよ。
ただ、ワープ圏外にまで探査範囲を広げてるでちから、かなり捜査は難航ちてるでちけどね」

つまり、トヲルの両親とタスクの乗った船は、ワープ圏外へ逃亡したということになる。

「但し、タスクが向かった先は、大凡の見当が付いてるでちけど」

「!ナニっ!?それを先に言えっ!!」

勢いで船長の胸倉に掴みかかろうとしたのだが、それよりも速く、コウヅキは背後のデスクに叩き付けられてしまった。

まさに、一瞬の出来事だった。
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