うさぴょん号発進せよ
船長の前には、立ち塞がるように、エミリーが構えて立っている。

(ああ、そうか。エミリーって、船長のボディガードもしてたんだっけ)

コウヅキを投げ飛ばしても決して崩れることのない、その端整な顔立ちを凝視しながら、トヲルはここで漸く思い出す。

エミリーはただ無意味に、船長の横に立っているわけではない。

「で、何処へ向かってたんだ?」

コウヅキは強かに打った腰を押さえながら、何事もなかったかのように、ゆっくりと起き上がった。

「地球でち」

船長は軽く言った。
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