うさぴょん号発進せよ
第2章 解印
第1節 戦場での出会い
コウヅキの知る限り、タスクという人物は情に厚い男である。
タスクとミレイユは、血の繋がりがなかった。
知り合ったのは、とある惑星の戦場と化したドームの中。
逃げ遅れた民間人の母親らしき女性が、守るようにまだ幼いミレイユを抱いていた。
母親は建物の下敷きになり、虫の息だった。
ミレイユを最初に発見したのは、当時少年兵として敵地に送り込まれていた、コウヅキだった。
軍からは「敵は全て殺せ」という命令を受けていたため、躊躇なく二人に銃を向けた。
だがそれを制止したのが、同じ部隊に所属していたタスクだったのである。
タスクは普段から、傭兵としても変わり者だった。
向かってくる敵の兵士のことは容赦なく殺すくせに、戦意喪失者に対してだけは、決して銃を向けることがない。
一度、敵に殺されかけたコウヅキを、庇ったこともあった。
戦場では、己の身を守れるのは自分だけである。
それができぬ者は死、あるのみだ。
コウヅキ自身も死ぬことには、全く恐怖を感じていなかった。
毎日、大量の殺戮を目の当たりにしていても、何の感情も湧いてこない。
そのようなものは、とうに捨てていたのだ。感覚もそれに慣れ、麻痺していった。
タスクとミレイユは、血の繋がりがなかった。
知り合ったのは、とある惑星の戦場と化したドームの中。
逃げ遅れた民間人の母親らしき女性が、守るようにまだ幼いミレイユを抱いていた。
母親は建物の下敷きになり、虫の息だった。
ミレイユを最初に発見したのは、当時少年兵として敵地に送り込まれていた、コウヅキだった。
軍からは「敵は全て殺せ」という命令を受けていたため、躊躇なく二人に銃を向けた。
だがそれを制止したのが、同じ部隊に所属していたタスクだったのである。
タスクは普段から、傭兵としても変わり者だった。
向かってくる敵の兵士のことは容赦なく殺すくせに、戦意喪失者に対してだけは、決して銃を向けることがない。
一度、敵に殺されかけたコウヅキを、庇ったこともあった。
戦場では、己の身を守れるのは自分だけである。
それができぬ者は死、あるのみだ。
コウヅキ自身も死ぬことには、全く恐怖を感じていなかった。
毎日、大量の殺戮を目の当たりにしていても、何の感情も湧いてこない。
そのようなものは、とうに捨てていたのだ。感覚もそれに慣れ、麻痺していった。