うさぴょん号発進せよ

第4節 荒廃した星

「すいません。もう、かなり良くなりました」

「そう?それは良かったわ」

ヴェイトはそう言うと、にっこりと微笑んだ。

辺りには、消毒薬の臭いが充満している。ここはヴェイトがいつも居る、医務室だった。

「それじゃあ、今日の作業は問題ないみたいね」

「…やっぱりこの程度だと、大丈夫なんですね」

トヲルは白い天井を見詰めながら、嘆息した。

「当たり前じゃないの。船酔いなんて、病気の内にも入らないわよ」


第3惑星アジャールを出発してから、およそ5日が過ぎた。

船はワープ圏内と圏外の境目付近まで、ワープした。そこまでの移動時間は、約2時間。

その後圏外へ出てから、5日が経過したことになる。
< 149 / 352 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop