うさぴょん号発進せよ
間もなく全ての準備が終わった一同は、小型船のあるハッチへ移動を開始した。

更衣室のある場所はハッチのすぐ隣なので、それほど長い距離を歩くわけではなかったのだが。

「お、重い」

船内で宇宙服を装着して歩くのは、一苦労だった。

躓きそうに歩いているトヲルを見かねたのか、ミレイユがそっと支えてくれた。

トヲルと目が合うと、にこっと笑った。その顔を見て、

(ミレイユ…。弟を心配するような気持ちで、僕を心配してくれているんだろうなぁ)

こんなことを思ったトヲルは、未だにこの前のことを引き摺っていた。
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