うさぴょん号発進せよ
「本当にコイツで、作業の方は大丈夫なのかよ」

コウヅキがトヲルの方を見ながら、船長に文句を言っている。

「本来ならばトヲルには、もう少し訓練をしゃせてから実践に移りたかったんでちけど…しょんな時間はないでちからね。
でも下に降りれば、服の重量は軽くなるはずでちから、たぶん大丈夫でちよ」

服はこの宇宙船の中ではなく、これから降りる惑星の重力に合わせて設定されていた。だからこの中では、重く感じるのである。

「ビル艦長、船のほうは準備できたでちか?」

「ああ、もう少しでな」

ビルホークがエンジン部に頭を突っ込み、作業をしながら答えた。

『惑星到着まで、あと5分』

船内放送で、セリシアの声が流れる。
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