うさぴょん号発進せよ
『やっと着いたぜ』

暫く歩くと、崖が真っ二つに割れたような場所に到着した。目の前にある割れ目部分は、人が一人、横歩きでなんとか通れそうな幅である。

トヲルは荷物を持っていたが、さほど大きな物ではなかったため、難なく通ることができた。

そこを抜けると狭い空間があり、その先には岩を刳り抜いたような、狭い穴があった。中は真っ暗で、奥が全く見えない。

『穴の前に到着したぜ』

『うむ。しょれを潜り抜けると、しょの先が目的地でち』

コウヅキは腕に装着しているライトを点けると、そのまま中に入っていった。二人は四つん這いになり、這って移動する。

(そういえばこの穴って、人為的に刳り抜いたような跡があるって、船長が言ってたっけ)

調査を進めていった結果、この星には、生命体のいた痕跡が残っているらしい。この岩穴も、その一つだというのだ。

つまり元々この地には、知的生命体が住んでいた、ということになる。

いつ頃滅んだのかは正確には分からないが、恐らくこの地殻変動が原因だろう、という推測だった。
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